演劇芸術の「最高の到達点」
スタニスラフスキーの文章を引用します。 演劇芸術において、最高の到達点というのは、お客さんにウケ狙いをするのでもなく、自分が何か追体験を頑張ってしようとするのでもなく、その空間で人として本当に生きられる事。自分のために。自分のためにそれができるようになること。 それは独りよがりではありません。それは精神的な真実のためです。魂の真実。 どうしても、芝居の経験のない人でさえも舞台に出てしまうと、どうしても演じなきゃという欲求が潜在意識の中で無意識的に起こります。 スタニスラフスキーの言葉で、先ほどの続きですが、その状態になったら、大きな理想について語ることを、それが退屈だと思われてしまうというふうに恐れない。それを恐れない。 どうしても役者って、そういうこと言ってしまうとつまらないんじゃないかと思ってしまいがちです。 さらに自分の中の感情とか、体験を言葉で一生けんめい説明する必要もない。そういう状態になるのは、待つだけ。 さらに客のウケ狙いを考えるのではなく、自分のために、その空間で生きるようにする