どういうふうに行動が「生まれてくるか」ということを感じて欲しくて、このエチュードを練習しています。 スタニスラフスキーシステムにおいては、感情とかそういう全てが生まれる元になるのが「行動」ですと説明されています。
行動とは意識的な、意思を持ったプロセスです。
ただ残念ながら、世の中には「行動」に対してのいろんな理解の仕方があります。 大体の人はなんとなく、行動って何だろうと、わかってるつもりになっています。 私たちは日常でいろんなことをやる、それが行動だと思い込んでいます。
「行動」にはいろんな質と、特性というものがあります。
スタニスラフスキーは「行動」とは論理と順序性があって、生産性があり、完結していなければならないと説明しています。 あと行動は具体的でなければなりません。抽象的であってはいけないと言われています。
演劇芸術の中で、いろんな人が「行動」を理解しようとして、あまりうまくいっていません。 なぜかというと「行動」っていうものは「形式的」になりやすいからです。
例えば私が皆さんに「こういう行動をしてください」と言って、皆さんそれをやり始めると思います。皆さんからすると、それが行動だと思っています。 でもそれは形式的なもので「私が言ったからやる」ということだと「欲求」がないのです。
私がそれを言わなければ、皆さんもそれをやり始めない。 つまり「他人の行動」をやっているということは、それは「行動」ではありません。 一番重要なのは「行動が生まれる」というプロセスです。
