Tag: セリフ・言葉

「セリフ」に頼らない

心理学の先生方が、人の交流について実験をした論文があります。 意味というのは、言葉で伝えられるのは7% イントネーションで伝わるのが38% 気分とか感情で残りの55%が伝わる スタニスラフスキーが、100年以上前に書いていたことが現在科学者によって証明されました。 イントネーションで38%伝わり、言葉そのものは7%しか伝えられない。 だから人は話をしていても、お互いなかなか理解し合えない。 家族が離れてしまうのも、そこに原因がある。 言葉だけでなんとか説明しようとするとそうなってしまう。 芸術作品というのは、言葉で表現できないところから現れるということも先ほどの論文とつながります。 なので役作りや、創造活動していく上で「セリフに頼らない」ということを覚えていてほしいと思います。 そして常に「相手」に注意を向け続けてください。

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言葉から「意味」が見えてこない

座ってるだけだったとしても、相手のことを聞いて、そのことを考えているだけ。余計なことは何もしない。それこそがとても大切な方向性です。 舞台上で、例え見られていようと、本気で考えること。そして、周りの人たちが考えていることを観察する。 そのためには、相手がどういうことで議論しているのだろうと、ちゃんと聞き取ろうとすること。 それをするだけでいろんな発見があります。 今はセリフを言っていても、意味がない状態になってしまっています。どうしても言葉は発しているけれども意味が見えてこない。 相手の言ってることを、きちんと聞き取れた時、相手の言ってる事を、自分の中で視覚化できた時に、そこから気づきがきて、ああ、こういう事だったんだと気づきがくると、そこから自分が発する言葉も意味を持った言葉として相手に伝わる。 相手はなんでそんなどうでもいい事を言うんだろう?、なんでそんなくだらない事が言えるんだろう?学のないロパーヒン(桜の園の登場人物)が、なぜ大学を出ている人をからかえるんだろう?、チェーホフはなぜそう言う二人のやり取りを書いたんだろう? 言葉で伝えられることは、限られていてつまらない。 言葉の後ろにある考えは、無限にいくらでも広げられるので、そこのやりとりが重要です。 言葉では説明できません。時間をかけても伝えられません。 結局は言葉では何も説明できないのです。

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観客は内容を「セリフ」で理解するのではない

頭で見るのは誰でもできます。自分の中で見えたものが、心を開くかどうか。 心で考え、心で感じてください。 相手を感じるのも心を通して。 相手を見るのも心の目を通して見るようになってほしいと思っています。 常に心で交流してください。 スタニスラフスキーシステムを簡単に説明するとそうなります。 本当の芸術とは感情で作られるし、魂や精神のエネルギーで作られます。 感情は魂の領域、イマジネーションは精神の領域。あらゆる芸術はそのエネルギーで作られます。 頭を使ったものを目指すのであれば、科学の世界になります。 頭を使うのであれば、自分の魂と精神を動かすために使ってください。 頭は使う必要があるけれども、それは少しづつ自分の心を開いて、精神とつながるということの理解をするために使ってください。 スタニスラフスキーの定義では「いかに意識的に、つまり頭を使って意識的に潜在意識に入っていくか」となっています。 自分の体験が見えていて、そこからセリフが出てくる。これが見えてるという状態です。呼吸も変わります。 お客さんもこれだけで感じ取ります。セリフではありません。 これがスタニスラフスキーの言う追体験をしている状態です。 その状態さえできてしまえば、チェーホフが伝えたいことはセリフ抜きで伝わります。

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「セリフ」を覚えてしまうことで

セリフを覚えた俳優が舞台に出てきて、乗り越える障害が何もない状態。そして相手もただセリフを言うだけ。それだと何を見せられているのでしょう。見せるものが何もない。ただ、生きてない死んで冷めたような状態を見せられています。 そういう芝居の一番面白い瞬間は、セリフを忘れた時です。あるいはハプニングで小道具が落ちた時。アクシデントが起きた時に、ちょっと生活が生まれます。

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