観客は内容を「セリフ」で理解するのではない

頭で見るのは誰でもできます。自分の中で見えたものが、心を開くかどうか。 心で考え、心で感じてください。

相手を感じるのも心を通して。 相手を見るのも心の目を通して見るようになってほしいと思っています。

常に心で交流してください。

スタニスラフスキーシステムを簡単に説明するとそうなります。

本当の芸術とは感情で作られるし、魂や精神のエネルギーで作られます。

感情は魂の領域、イマジネーションは精神の領域。あらゆる芸術はそのエネルギーで作られます。

頭を使ったものを目指すのであれば、科学の世界になります。

頭を使うのであれば、自分の魂と精神を動かすために使ってください。

頭は使う必要があるけれども、それは少しづつ自分の心を開いて、精神とつながるということの理解をするために使ってください。

スタニスラフスキーの定義では「いかに意識的に、つまり頭を使って意識的に潜在意識に入っていくか」となっています。

自分の体験が見えていて、そこからセリフが出てくる。これが見えてるという状態です。呼吸も変わります。 お客さんもこれだけで感じ取ります。セリフではありません。

これがスタニスラフスキーの言う追体験をしている状態です。 その状態さえできてしまえば、チェーホフが伝えたいことはセリフ抜きで伝わります。

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