「型にはめた演技」が実は自分に嘘をついていたことだと自覚できた:河田 吉正(声優 / 賢プロダクション)

アカデミーの10ヶ月間で学んだことを、今後どのように活用していけるか教えてください

河田 吉正(声優 / 賢プロダクション)
河田 吉正(声優 / 賢プロダクション

日常生活を送るにあたって他者との向き合い方が大きく変わっていきました。自分本位にならず、常に相手を想うこと。まずは身近な家族を大切にしながら過ごしていこうと思います。

声優の仕事現場では、型にはめる演技ではなく、真実感覚を持ってその場に生きることを以前よりも強く意識するようになりました。“型にはめた演技”が、実は自分に嘘をついていたことだと自覚できたのは大きな収穫です。

アカデミーの10ヶ月間を通して、どんなことを学びましたか

自分の中に潜んでいたエゴ・プライドに対して自覚的になれました。そして、エゴが強いと他者との交流が上手くいかなくなることを実践的に学ぶことができました。

  • 相手に注意を向ける。
  • 相手を理解しようとする。
  • 相手に献身的となる。

リハーサルの過程で、それらの行為がとても美しいものだと気付くことができたのは感動的でした。

卒業公演では、どんなものを得られましたか

公演時、自意識が強くなり相手とうまく交流できない状態となってしまった場面もありましたが、それは一方で、リハーサル時に相手と交流している状態を自覚できていたということだとも思えました。今期は自己検証する能力の向上を課題としていたため、確実に成長していることを実感できました。

その他

10ヶ月間ありがとうございました。アニシモフ先生はじめ、スタッフの皆様、対面クラス生徒さん、オンラインの愛すべき同期たちのおかげで、僕の人生は大きく変わってゆくと思えています。

声優という職業としても大いに学びのある10ヶ月間でした。当日に台本をもらうようなこともある声優の現場において、スタニスラフスキー・システムをどのように用いていくか。「演劇の様式が変われどシステムは応用可能」という先生の言葉を実践していきたいです。

河田 吉正(声優 / 賢プロダクション